
ウェビナーのフォローコールは、終了後30分以内にかけられるかどうかで、商談化率が1.8倍変わります。視聴者が内容を覚えているうちに電話をすると、興味関心が高いまま話が盛り上がるためです。ウェビナーから受注や商談を生むには、当たる企画を作るより、終了後のフォローを見直すほうが簡単です。
目次
ウェビナーで成果が出ている企業の割合
月1件以上の受注につながっていない企業が65.7%
ネクプロは、ウェビナーを開催している企業にアンケートを取り、ウェビナー経由で月1件以上の受注につながっているかを聞きました。「はい」は34.3%、「いいえ」は65.7%でした(出典: ネクプロ調べ、2023年12月実施)。

ウェビナーを実施していても、受注につながっていない企業が過半数を占めています。
改善すべきは企画より終了後のフォロー
ウェビナーを改善するとしたら、どこを改善するでしょうか。企画は重要です。何を発信するか、何を話すかは大事です。ただ、当たる企画を作るのは難しい作業です。
それよりも簡単に受注や商談を生める、改善すべき点があります。ウェビナー終了後のフォローです。多くの企業で抜け落ちやすいポイントでもあります。
同じ企画で同じ内容を話しても、終了後のフォローの違いで商談化の数が約2倍変わったケースがあります。
ウェビナー終了後30分以内のフォローコール
視聴の翌日には内容の8割を忘れている
ウェビナーやオンデマンド動画は、鮮度が非常に重要な施策です。視聴した翌日に動画の内容をどのくらい覚えているかを調べたことがありますが、平均すると8割ほどは抜けていて、覚えているのは2割ほどでした。
ウェビナー終了後30分以内にフォローコールをかけられるかどうかで、商談化率が1.8倍変わります。内容を覚えているかどうかで、視聴後の興味関心度が変わるためです。電話をしたときに話が盛り上がるかどうかも変わり、時間が経つほど興味関心は薄まっていきます。
基本は即時フォロー、理想は終了後30分以内です。企画も内容も同じまま、このルールを守るだけで、数値の改善を図れます。
開催時間を45分〜50分にして接続率を上げる
即時にフォローしたくても、参加者が電話に出られないことがあります。ネクプロがウェビナーを開くと、参加者にはマーケティング担当者が多く、社内外の会議で予定が詰まっています。
ネクプロのウェビナーは13時から14時ごろに開くことが多く、14時から19時まで会議が続く参加者も少なくありません。終了直後に会議が入っていれば、電話に出る時間がありません。
電話の接続率を上げる方法があります。多くの会社は、ウェビナーの時間を30分か1時間に設定しています。これを45分か50分にします。
たとえば15時45分に終わるウェビナーなら、その後に会議が入っていても、16時までの15分間が空きます。この時間がゴールデンタイムです。私の感覚では、ほぼ100%つながる時間帯です。
10分の間にも会議を差し込む多忙な参加者もいるかもしれませんが、45分か50分で終えると、その後が空いているケースが多くなります。この時間帯に電話をかければ、接続率が上がり、内容も覚えているため、次の段階である商談化に進みやすくなります。

視聴中にアポイントを取得する導線づくり
「鉄は熱いうちに打て」と言います。ウェビナーで一番熱いタイミングは、動画を視聴している最中に興味を持ち、態度変容が起きたときです。
そこで、動画の視聴中にそのままアポイントを取得できる導線を作っておきます。ネクプロの視聴画面で、ウェビナー「広告費0円で500名を集客する方法」を例に説明します。
動画の後半10分前ぐらいに、このウェビナーで話した内容を個社向けに実現する方法を、個別相談会で案内していると伝えます。よければ下から予約するよう、視聴者に呼びかけます。
視聴画面の下には「ウェビナーのご相談・ご提案はこちら」というバナーがあります。クリックすると、私との商談予約カレンダーに移動します。視聴中に気になったら、その場で商談を予約できます。
視聴者に負担をかけずに商談を予約してもらえることに、重点を置いています。
この導線があるだけで、インサイドセールスチームのフォローの工数が減ります。工数が減れば、30分以内のフォローに人手を回せるため、熱量が高いうちにアプローチできます。
フォローコールの中身は過去のデータで決める
ここまでは、フォローコールをいつかけるかの話でした。次は電話がつながった後に何を話すかです。
月2〜3回など継続的にウェビナーを開催している企業では、視聴データを見ると、参加者の7割ほどが過去にもウェビナーに参加していることが分かっています。参加者は複数のコンテンツに触れている可能性が高くなります。
そのため、1回のウェビナーの参加データだけを見るのはもったいないです。1回分の視聴データとアンケート回答がまとまったレポートで、2人の参加者を比べます。
- 1人目は、100%視聴し、満足度のアンケートに「とても満足」と答えています。
- 2人目は、30%で離脱しているのに、「満足」と答えています。
アンケートではネガティブな回答をしづらく、とりあえず「満足」と答える人が多くいます。2人目は、視聴3割で離脱しています。この人にすぐ電話をして、今回のウェビナーの感想を尋ねても、商談にはつながりません。
ところが、この人が過去に4つほどのウェビナーに参加していて、「案件化するウェビナー企画の作り方」は100%視聴して「とても満足」と答えていたとします。相手は、何カ月も前に見たウェビナーの内容を覚えていません。ただ、なぜそのウェビナーを見たのかは覚えています。
そこで、次の順で話します。
- 「案件化するウェビナー企画の作り方」に参加して満足と答えてもらったことを、参加時期とあわせて伝える
- そのとき、ウェビナーからの案件化や商談化に課題があったのかを尋ねる
- 相手が当時の課題を思い出したら、今も続いているかを聞く
- 続いているなら、その課題の話ができるので、一度話をさせてほしいと伝える
1回分の結果だけを見ていたら取れなかったアポイントが、過去の累計の結果を見ることで取れます。
ウェビナーのアンケートを商談につなげる
申し込んだのに参加しなかったリードからも、商談を取ることが出来ます。
事前アンケートを使った未参加者へのフォローコール
仮に、申し込みから参加に至る率を60〜65%とすると、100名の申込者のうち、参加するのは60〜65名で、35〜40名は参加しない計算です。この人たちからどうアポイントを取るかが、課題になります。
ネクプロの申込フォームでは、フォームを通過した後に事前アンケートが表示されます。回答は必須ですが、申込の完了率が下がらないように負担は軽くしています。必須なのは、現在のウェビナーにおける課題をチェックボックスで選ぶ設問です。
たとえば、事前アンケートで「集客はできるが商談に繋がらない」を選んだ人が、ウェビナーに参加しなかったとします。その人には、翌日にフォローコールをかけます。
通常の電話では、申し込みへのお礼を伝え、内容が気になりませんかと尋ね、見逃し配信を案内します。ネクプロでは、そこを飛ばして答えてもらった課題から話を始めます。
申し込みのときに「集客はできるが商談に繋がらない」を選んでいたことを伝え、いま商談に繋がらない点のどこにボトルネックを感じているかを尋ねます。そのうえで、ウェビナーから商談につなげるノウハウを案内する時間として、30分ほどいただけないかと打診します。
この誘導の仕方によって、特に勧誘をしなくてもそのままアポイントが取れます。直近のアンケートで、本人が顕在ニーズとして答えている内容だからです。どこかのウェビナーに一度来てもらう手順を挟まずに、課題解決の場としてアポイントを取れます。
これは盲点で、見逃している企業はとても多いと感じています。
アンケート回答率を上げる視聴中の案内
アンケートの回答率が高いと、商談化率も高くなります。どれだけ多くの回答を集められるかが、その後の商談獲得に効きます。ウェビナーを開催する企業は、いかに回答率を上げるかに着目しています。
ネクプロが推奨する運用では、アンケート回答率が10〜15%ほど上がると考えています。
回答は、視聴中にすべて終えてもらうのが一番良い方法です。視聴画面にアンケートボタンを常に表示し、いつでも回答できるようにします。ただし、ボタンを置くだけでは回答されません。動画と連動させます。
動画の後半15分前ぐらいから10分前ぐらいのタイミングで、右上のアンケートボタンから回答すると、共催ウェビナーの企画書テンプレートがその場でダウンロードできると案内します。回答が終わると、「アンケートのご協力ありがとうございました。」というメッセージと「資料ダウンロード」のボタンが表示され、押すとすぐ資料を受け取れます。
後で資料が届く形ではなく、今この場で手に入る形にして、その場で回答してもらいます。インセンティブをその場で発生させることが、回答率を上げる方法です。
録画コンテンツの資産化
ウェビナーの録画を資産にして、成果を上げる方法もあります。
疑似ライブ配信で取りこぼしを減らす
私の感覚では、ウェビナー1本を作るのに15〜20時間ほどかかります。その1本を何日程で配信するかで、結果が変わった実績があります。
ネクプロ上で開催されたウェビナーでは、2023年6月7日から9日の3日間、同じ内容を11時から12時に配信していました。1日目はライブ配信です。2日目と3日目は、ライブ配信を録画し、疑似ライブ配信(録画した動画を、指定した日時に自動で配信する方法)で流しました。申込ページでも、1日目は生配信、2日目と3日目は録画配信であることを告知していました。
申込数と参加人数は、1日目が申込86・参加58、2日目と3日目の合計が申込105・参加51でした(出典: ネクプロ上で開催されたウェビナーの実績、2023年6月)。

2日目と3日目の申込105は、内容に興味はあっても開催日時に会議などの予定が入っていて参加できなかった人が、直近の日程の同じ時間帯に配信した録画へ流れ込んだ結果だと見ています。
15〜20時間かけて作ったウェビナーを1日程だけで配信すると、日程が合わない人を必ず取りこぼします。作る時間は同じまま、録画を再配信するだけで、結果が変わります。
録画をニーズ別に並べ、課題に合わせて送る
毎回録画して再配信すると、録画コンテンツが蓄積します。次の段階は、録画したコンテンツをどう生かすかです。
ネクプロでは、ウェビナーの一覧サイトに、ニーズごとにオンデマンド動画を並べています。見出しは「集客数を上げたい方へおすすめ」「ウェビナー初心者の方へおすすめ」「開催工数を削減したい方へおすすめ」などで、再生ボタンを押せば視聴できます。
顧客管理にはSalesforceを使っています。Salesforceにウェビナーニーズという項目を1つ加え、アンケートの回答、打ち合わせでヒアリングした内容、電話で聞いた内容をすべて入れています。
このデータをメール配信ツールに連携し、たとえば「集客はできるが商談に繋がらない」を選んだ人たちに、「商談獲得数を上げたい方へおすすめ」の動画を毎週送ります。課題に合わせて送るので、その人が興味のある動画が次々に届きます。送られた動画は申込フォームを通さず、いつでも視聴できます。
視聴履歴からホットリードを特定し、インサイドセールスに渡す
送った動画の視聴データは、一覧で確認できます。3日や1週間など決めたタイミングで視聴データをCSVで出力し、スプレッドシートに取り込んで、オンデマンド再生時間の順に並び替えます。メールで送った動画をたくさん見た人が、上から並びます。
動画をよく見ている人ほど関心が高く、フォローすべき相手です。その人のニーズに合ったコンテンツを案内し、視聴履歴を可視化して、フォローすべきホットリードを特定します。特定した人は、インサイドセールスチームにフォロー対象として渡します。
極端な話ですが、自動ホットリード量産機のような形のサイクルができます。これが、録画をオンデマンド動画として二次活用するやり方です。

企画を変えずに成果を上げる
ここまで紹介したのは、ウェビナーの企画を変えずに成果を最大限に上げる方法の一端です。まだお伝えできていない内容もあり、最適な施策は会社ごとに異なります。
まずやるべきことは、ウェビナーのフォローコールを終了後30分以内にかけるルールを作ることです。視聴者が内容を覚えているうちに電話できるため、企画も内容も同じまま、商談化率を変えられます。
貴社のウェビナーに合うフォローの設計を個別に相談したい方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。細かいところをお伺いしながら、貴社に最適な施策を提案します。
