
録画ウェビナーで、ナーチャリングと商談獲得を進めるには何をすればよいのか。ウェビナーから効率良く商談化させるための3つのことを、実態調査の数字と事例を交えて解説します。
目次
動画活用で商談獲得を目指すときの4つの悩み
次のような悩みはありませんか。
- 動画活用で商談獲得をしたいが、何から着手したらよいか分からない
- ハウスリストにリードが蓄積されているが、適切にアプローチできていない
- ナーチャリングを設計してみたものの、思い通りに成果が出ていない
- ナーチャリングを実施する上で、必要なコンテンツを知りたい
これらの悩みを、録画ウェビナーの活用で解決する方法を説明します。
月3〜4回開催が限界だったのが、とある方法で月7〜8回開催に
この記事を読んでいる方の中にも、ウェビナーの開催が月1回未満、もしくは月1回という方は多いと思います。それは少しもったいない、と私は考えています。
前職でマーケティングオートメーションを販売していた頃は、かなりの数のウェビナーを開催しました。続けた回数は49回で、月に直すと3〜4回の生放送です。生放送は毎回、資料を作って自分で話すので、月3〜4回続けるとリソースを大きく取られ、当時はかなり疲れたのを覚えています。
それでも、ウェビナーの有効性は実証出来ていました。受注した企業の約3分の1が1回以上ウェビナーを見てくださったというデータもあります。
そのため、翌年は月7〜8回開催に増やしました。月3〜4回の生放送で大変だったところから、月7〜8回の開催に至るまでに何をしたのか。録画ウェビナーの活用法を通して、その方法をお伝えします。
2025年実態調査結果から紐解く、ウェビナーの有効性
2025年2月1日から28日に、ウェビナーを実施している、または検討している146名にアンケートを行いました。調査結果は、2025年5月に公表しています(出典: ネクプロ プレスリリース(2025年5月7日))。商材は少しずつ違いますが、回答者のほとんどはBtoBの企業なので、参考値になると考えています。
60.9%が毎月1件以上の受注を実現
ウェビナー経由で毎月1件以上受注している企業は60.9%でした。2024年版の調査では34.3%で、1.7〜1.8倍ほど増えています。
各社が、単なる情報発信にとどまらず、商談獲得から受注への導線設計やナーチャリングの強化に取り組んできた結果、成果が伸びているのではないかと見ています。
受注の数え方は、会社によって違います。最も多かったのは、商談の直前にウェビナーを見ていれば1件とする基準でした。ネクプロは、受注した企業が1回でもウェビナーに参加していれば、ウェビナー経由の受注として数えています。どう数えるかは、ROIをどう算出するかによって、会社ごとに少しずつ違います。
約70%が録画ウェビナーを活用
ウェビナーを実施している会社の約70%が、録画ウェビナーを活用していました。2024年版の調査の約60%から、約10ポイント上がっています。
2024年版の調査と2025年の調査で回答者は異なりますが、半分ぐらいはほとんど同じ方で、ネクプロのお客様や見込み顧客リストにいる方々です。そのため、回答者の層は2024年版の調査と大きくは変わらないと考えています。

毎月1件以上受注している企業の特徴
毎月1件以上受注している89名の特徴もまとめました。開催頻度は月3〜4回、月間の集客数は約300人、月間の商談設定は約10件です。
集客数から商談への転換率は約3.45%、商談から受注への転換率は約25%です。25%は高めの数字だと感じていますが、企業によって大きく異なります。運営体制は2〜3人で、録画ウェビナーを活用している企業が86.6%でした。
調査の詳しい数字は、こちらの記事でも紹介しています。

録画ウェビナーの種類と疑似ライブ配信
録画ウェビナーは、活用方法によって効果が3種類に分かれます。
- オンデマンド配信: 事前に録画した動画を、視聴者が好きなタイミングで視聴できる方式です。
- アーカイブ配信: ライブ配信したウェビナーの録画を、期日を決めていつでも視聴できるようにする方式です。
- 疑似ライブ配信: 事前に録画したものを、何月何日何時に配信すると期日を切って配信する方式です。
このうち疑似ライブ配信は、期待できる効果が高いのではないかと、私は見ています。事前に収録して編集でき、普遍的な内容にすれば1年以上、事業が継続する限り活用できることが最大のメリットです。

ライブ配信と録画ウェビナーでは企画の観点が違う
ライブ配信では、トレンドに乗った内容や、インタラクティブ性を入れることが大事です。
これに対して録画ウェビナーでは、普遍的に変わらない内容をコンテンツにしていくことが求められます。企画では、いつ見ても伝わるか、録画だけで完全に理解してもらうにはどうすればよいか、見飽きないための工夫は何か、を意識します。ライブ配信とは違う観点での企画になります。
疑似ライブ配信については、疑似ライブ配信を解説した記事もご覧ください。
ウェビナーから効率良く商談化させるための3つの事
1つ目:1年以上活用できる録画ウェビナーを作成して運用する
録画ウェビナーは、原理原則的に変わらない内容にしておけば、使い回して長く集客に使えます。3つの運用の例を紹介します。
ネクプロをご活用いただいている富士フイルム和光純薬株式会社様は、録画を使い分けて、見たい人に見たい内容を届けている例です(出典: 導入事例 富士フイルム和光純薬株式会社 様)。自社製品の種類が多い企業は、特に参考になると思います。同社は、ライフサイエンス、ケミカルをはじめ、ワクチン研究やPCR検査キットの紹介など、多岐にわたるウェビナーを年50本のペースで配信しています。
当初はライブ配信から始め、見逃し対応のオンデマンド配信やハイブリッド配信なども、用途に応じて使い分けるようになりました。視聴者は、この製品には興味があるが、あの製品には興味がない、ということがはっきりしています。そのため、見たい内容を細かく伝え分けられるよう、アーカイブ配信やオンデマンド配信を使っています。
ネクプロがご支援した別の企業は、毎年リアルイベントに参加していましたが、そこで会う方の顔ぶれが毎年ほぼ同じで、新しい接点を持ちたいと考えていました。ウェビナーを実施してみたいものの、録画の活用や商談設定の増やし方が分からず、ネクプロにお問い合わせをいただきました。
ご支援の内容は、ウェビナーの伴走支援とコンサルティング、録画ウェビナーの制作、配信システムの提供です。リアルイベントからウェビナーに切り替え、コストを下げながら集客数を増やすことができました。企画は、入門編や応用編など複数回に分けたシリーズにし、1年以上使えるよう、原理原則的に変わらない内容を詰めています。従来のリアルイベントで会っていた方々とは違うターゲットを集客できた点でもよい事例でした。
ネクプロでも、ハウスリストの活性化のためにどのようなコンテンツを作るか迷っていました。そこで、10分で解説するシリーズとして「案件化するウェビナー企画の作り方」を実施しました。1年以上活用できるテーマなので、商談設定率も最高で16.7%、平均は11.4%と、非常にいい結果になりました。
視聴者からは、要点だけをテンポよく説明してもらえて聞きやすかった、という声をいただきました。一方で、10分だと表面的な話が多くなるので「深掘りして聞きたい」という声もありました。
2つ目:一方的な製品紹介ウェビナーをやめて「vs構造」で企画する
一方的な製品紹介ウェビナーは、集客のハードルが高いです。そこでvs構造で企画します。vs構造というと大げさかもしれませんが、比較構造と言い換えてもかまいません。
ネクプロはZoomと比較されることがよくあります。そこで、資料として用意していたZoomとネクプロの徹底比較を、ウェビナーにしました。「ZOOM vs ネクプロ 徹底比較」という題名のウェビナーです。
Zoomが良くてネクプロが悪い、といった話は一切せず、特徴を並べました。結果として、Zoomを契約する企業もあれば、ネクプロを契約する企業もありました。集客数はかなりよく、非常にいいコンテンツだと考えています。皆さんの会社でも、何かしらの比較ができるとよいと思います。
3つ目:ウェビナー後のアプローチに徹底したルールを設ける
ウェビナー後のフォローは、スピードが命です。ウェビナー後30分以内に電話します。
次に、誰から電話するかの優先順位を決めておきます。条件で決めるのか、申込時点でこの人は1番にアプローチすると決めるのかを、先に決めます。たとえば、従業員数100名以上で、アンケートに特定の回答をした方を最優先にする、といった形です。
もう1つは、通電率の把握と計測です。通電率とは、電話がつながる割合のことです。通電率の高い時間帯があるため、その時間にウェビナーを実施できるようにします。
ネクプロの流れは次のとおりです。ウェビナーが終わると、担当がインサイドセールスのメンバーに成果報告をし「このような条件の方々がいらっしゃるのでぜひお願いします」と伝えます。インサイドセールスがアプローチしたあとは、毎週金曜日の定例ミーティングで結果を報告します。そのうえで、担当である私が新しい企画や改善案を練り、次のウェビナー企画に活かしています。
フォローの進め方と、電話のつながりやすさを高める方法は、次の記事でも紹介しています。

まず取り組んでいただきたい事
まず、自社で眠っているウェビナーがないかを確認し、加工して使い回せそうなものを探してください。あわせて、比較つまりvs構造で企画できることがないか、社内で打ち合わせをして案を出してみてください。そして、ウェビナー後のアプローチのルールは、インサイドセールスのメンバーと一緒に話し合って策定してください。
月1回未満など、ウェビナーになかなか取り組めていない企業でも、録画ウェビナーは、リソースがあまりなくても実施できます。生放送は毎回、資料を作って自分で話す必要がありましたが、録画ウェビナーは普遍的に変わらない内容にしておけば使い回せます。ウェビナーの活用について、分からないことや相談したいことがあれば、ぜひお問い合わせください。




