ウェビナー上級者が行っている3つのこと〜100回の企画で実証された成果最大化の方法〜

はじめに

「ウェビナーを定期的に開催しているのに、なかなか商談につながらない」「参加者の離脱率が改善しない」——こうした悩みを抱えているウェビナー担当者は少なくありません。

株式会社ネクプロが行ったアンケートによると、「ウェビナーから受注が多い」と胸を張って言える企業はわずか25%にとどまります。残り75%の企業は、継続的に開催しながらも思うような成果が出ていない状況です。

では、成果を上げているウェビナー上級者たちは何が違うのでしょうか。本記事では、ウェビナー「ウェビナー上級者が行っている3つのこと」を元にまとめた内容を解説します。

ウェビナー上級者とは何か

ウェビナー上級者を「ウェビナー経由での受注が多いと、胸を張って言える企業」と定義しています。直接的な受注に結びつかない場合でも、認知拡大や教育など意図した成果を再現性高く出し続けている企業も上級者に含まれます。

ネクプロ社が行った調査によると、成果を出している企業には共通した特徴が見られます。月7〜8回のウェビナーを開催し、運営体制は専任1名・兼任1名程度の2人体制が多く、共催での平均集客数は53名、単独開催では34名程度です。ただしこれはあくまでも傾向であり、商談設定を目的とするウェビナーなら10名の参加者から3名の商談設定ができれば十分です。参加者数の絶対値より、目的に対して成果が出ているかどうかが重要です。

上級者企業に学ぶ成功事例

評価する企業の事例を見ていくと、ウェビナーを成果につなげるためのエッセンスが見えてきます。

ユーザーベース社:「ここでしか聞けない感」の演出

ユーザーベース社の強みは、ターゲット選定の精度とバナーによる差別化にあります。「〇〇株式会社の〇〇さん」というレベルまでペルソナを具体化し、その人物に刺さる企画を作ります。役員を集めたいウェビナーには役員以上の登壇者を起用するなど、ターゲットと同じレイヤーの人物が語りかけることで共感を引き出しています。

バナー制作においては「ここでしか聞けない感」を徹底的に追求しています。ウェビナーが飽和しているIT業界では、ファーストビューであるタイトルとバナーが差別化の最前線です。細部にまでこだわり抜いたビジュアルが、申込みの意思決定を後押ししています。

サーキュレーション社:圧倒的バリュー提供でファンを生む

プロ人材派遣を手がけるサーキュレーション社の特徴は、1企画あたり約3か月という圧倒的な準備期間と、コンテンツの質へのこだわりです。タイトルは14文字以内に絞り込み、「この参加者はどんな人物で、どんな順序で情報を届ければ行動してもらえるか」を突き詰めて企画します。

その結果、1回のウェビナーで1,300名を集客するほどの成果を上げています。質の高いコンテンツに満足した参加者がリピーターになり、リピーターがファンとなってSNSで拡散する——この好循環が認知拡大と集客力の強化につながっています。

株式会社CINC:ウェビナーを他施策と有機的に連携

キーワードマップを提供する株式会社シンクが優れているのは、ウェビナーを独立したイベントとして捉えず、マーケティング全体の中に組み込んでいる点です。オウンドメディアやメルマガとウェビナーをシームレスに連携させ、参加者がウェビナー終了後に自然と次のコンテンツへ流れていく動線が精密に設計されています。

「参加者がこういう気持ちの変化を起こすだろうから、次はこのホワイトペーパーを読んでもらおう」という一貫した設計思想が、ウェビナーを単発イベントではなく継続的な関係構築の場に変えています。

カイロスマーケティング社:90分飽きさせない設計とデータ活用

カイロスマーケティング社は、90分間を一人の登壇者が進行しながらも、参加者を一切飽きさせない工夫を徹底しています。適宜休憩を挟み、クイズやテスト問題を取り入れることで参加者が「自分ごと」として考える場面を意図的に作ります。また、基礎的な説明から丁寧に始めることで視聴者を置いていかない設計を貫いています。

集客面ではマーケティングオートメーション(MA)を活用し、ウェビナーLPを訪問しても申込まなかった人に再度アプローチするなど、きめ細かなフォローで申込み率を高めています。平均で50〜60名の安定した集客を実現しています。

リードパット社:共催を武器にした認知拡大戦略

リードパット社は、著名な企業や人物との共催ウェビナーを得意としています。注目すべきは、企画の作り方の視点です。「ターゲットの満足度」よりも先に「登壇してもらいたい著名人が面白いと言ってくれる企画かどうか」を考えることで、質の高い共催相手を獲得する確率を高めています。

また認知拡大を目的とするウェビナーでは、あえて商談設定数を追わず、集客数の最大化だけにフォーカスするという割り切りも特徴的です。目的を一つに絞ることで、施策全体の精度が上がっています。

ウェビナー上級者が行う3つのこと

事例から導き出される、上級者が共通して実践している3つのポイントを紹介します。

1. コアターゲットを徹底的に絞り込む

「マーケター向け」「中小企業の経営者向け」といった大雑把なターゲット設定では、ウェビナーが飽和した現在の市場では差別化が難しくなっています。上級者が実践しているのは、「〇〇株式会社の〇〇さん」というレベルまでペルソナを具体化することです。

ターゲットの解像度を高めることには2つの大きなメリットがあります。一つ目は企画の精度が上がることです。「この人が抱えている課題は何で、どんな情報があれば動いてもらえるか」が明確になるため、タイトル・内容・集客施策に一貫性が生まれます。二つ目は登壇者もターゲット像をイメージしながら話せることです。漠然と「参加者の皆さん」に向かって話すのではなく、特定の人物像に向けて語りかけることで、参加者の心に響く言葉が自然と生まれます。

企画立案には、マーケティング部門だけでなく実際にお客様と会話している営業担当者も加わることが重要です。現場の声がペルソナの解像度をさらに高め、より実態に即した企画につながります。

2. ウェビナージャーニーマップを作成する

コアターゲットが決まったら、次はそのターゲットの「現在地」を把握するためにウェビナージャーニーマップを作成します。

マップは2つの軸で構成されます。一つ目の軸は自社サービスの認知フェーズ(未認知〜認知〜興味〜検討)、二つ目の軸は参加者の課題解決フェーズ(課題未認識〜課題認識〜解決策探索〜比較検討)です。この2軸のマトリクスに自社のハウスリストをマッピングすることで、「今このタイミングでこの人たちに届けるべきウェビナーはこれだ」という企画の根拠が明確になります。

たとえば、「自社の課題は認識していて解決策も試したが失敗経験がある」かつ「自社のサービスをすでに認知している」層に対しては、失敗パターンと成功パターンを対比するような企画が有効です。マップに「〇〇株式会社の〇〇さん」という具体的な人物を当てはめてみると、抽象的だった企画の方向性が一気に具体化します。

3. 参加者へのおもてなしを徹底する

3つ目は、ウェビナー当日の「おもてなし」です。例えば映画館では予告編や上映前の演出によって「良いものを観に来た」という体験が開始前から始まります。ウェビナーも同様で、参加者が「このウェビナーに参加して良かった」と感じられる体験設計が重要です。

具体的なおもてなし施策には以下のようなものがあります。

  • 笑顔での挨拶と名前を呼ぶ:顔出し可能な環境では参加者の名前を呼びながら挨拶することで、一対一の対話感が生まれます。
  • 問いかけとクイズ:参加者が「自分ごと」として考える場面を作ることで、集中力と理解度を維持します。
  • 資料以外のプレゼント:登壇資料の配布はすでに当たり前です。アンケート回答者限定のコンテンツや特典を用意することで、参加者の行動を促し、記憶にも残ります。
  • 飽きさせない話し方:具体的な数字や事例を交えた話し方は、参加者の理解と満足度を高めます。抽象論だけでは飽きさせてしまいます。
  • ウェビナー後の案内設計:終了後に「次は何をすればいいか」が明確になるような案内を用意することで、参加者の次のアクションへ自然につなげます。

おもてなしの目的は、参加者に「このウェビナーは他と違う」と感じてもらうことです。それがリピーターを生み、ファン化を促し、最終的には商談化率の向上につながります。まずは笑顔で挨拶、問いかけ、チャットを盛り上げるなどすぐにできることから始めていきましょう。

まとめ

ウェビナー上級者が行っている3つのこと——コアターゲットの徹底した絞り込み、ウェビナージャーニーマップの作成、参加者へのおもてなし——は、どれも今日から実行できる施策です。

ただし、重要なのは「これを実施したからといって明日から成果が上がるわけではない」という点です。中長期にわたって継続し、データを見ながらブラッシュアップし続けることで、初めて上級者の成果に近づいていきます。

まずは一つ、具体的な「do」を決めることが大切です。「次のウェビナーでペルソナを〇〇株式会社の〇〇さんまで絞り込んでみる」「アンケート回答者への特典コンテンツを準備する」など、小さな改善の積み重ねが、ウェビナーマーケティングの成果を確実に引き上げていきます。

ウェビナーは企画・集客・当日運営・フォローまでを一貫して設計することで、商談創出に直結する強力なマーケティング施策になります。今日学んだ3つの視点を取り入れ、ウェビナー上級者への第一歩を踏み出してみてください。

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