
目次
はじめに
「ウェビナーを本格的に始めたいが、どの配信システムを選べばいいかわからない」「機能が多すぎて比較しきれない」——こうした声はウェビナー担当者の間でよく聞かれます。
一口にウェビナー配信システムといっても、市場には数十社以上のツールが存在し、機能・価格・対応規模はさまざまです本記事では、システム選定で失敗しないための8つのポイントと利用シーンウェビナーのまとめた内容を解説します。
まず知っておきたい:ウェビナーの種類
配信システムを選ぶ前に、自社がどの形式のウェビナーを行うのかを整理しておく必要があります。ウェビナーは大きく3種類に分けられます。
- リアルタイム生放送配信は、参加者と主催者が同時刻にオンラインで参加し、質疑応答やチャットのやり取りをリアルタイムで行う形式です。ZoomなどのオンラインミーティングツールでもZoomウェビナーなどの機能を活用すれば対応可能です。
- オンデマンド配信は、あらかじめ収録した動画をいつでも視聴できるよう公開する形式です。視聴者の都合に合わせて見てもらえるため、集客範囲が広がるメリットがあります。ただし、リアルタイム配信向けのコンテンツとオンデマンド向けのコンテンツはそれぞれ設計が異なるため、目的に応じた作り分けが重要です。
- 疑似ライブ配信は、編集済みの動画を配信しながら、裏側でリアルタイムの質問対応を行う形式です。事前収録でクオリティを高めつつ、当日はQ&Aや最後の生放送パートだけをリアルタイムで行う企業も増えています。
ウェビナーの配信形式について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
ウェビナー配信システムの種類を理解する
配信システムは機能の違いによって4つのカテゴリに分けられます。選定の前提として把握しておきましょう。
- オンラインミーティングツール(Zoom、Google Meetなど)は、参加者の顔が見える対面型の形式が基本です。機能がシンプルで使い慣れている方が多い反面、オンデマンド配信には対応していません。
- ウェビナー配信プラットフォーム(ネクプロ、Zoomウェビナーなど)は、リアルタイム配信とオンデマンド配信の両方に対応しており、無人でのオンデマンド配信も可能です。申し込みページの作成やアンケート機能など、ウェビナー運営に必要な機能が一通り揃っています。
- オンラインイベントプラットフォームは、ハイブリッド開催への対応や、チケット販売・管理機能を持つものが多く、展示会のようにバーチャルブースを設けることもできます。大規模イベントや複合的なオンラインイベントに向いています。
- 動画配信プラットフォーム(ワンストリームなど)は、主に録画コンテンツの保存・公開に特化したシステムです。リアルタイム配信やリアルタイムのやり取りには対応していません。コンテンツライブラリの整備や動画資産の活用を目的とする場合に適しています。
配信システム選定のポイント8項目
システムを選ぶ際には、以下の8つの観点を軸に検討することを推奨しています。
1. 必要な機能が実装されているか
まず自社がウェビナーで実現したい機能を洗い出し、各ツールで対応しているかを確認します。特によく相談を受ける機能としては、次のものが挙げられます。
無人でのオンデマンド配信が可能かどうかは、運営工数を大きく左右します。毎回担当者が対応しなくても動画を自動で公開・配信できる仕組みがあると、コンテンツの資産化が進みます。チャットやQ&A機能が使いやすいかも重要です。現行システムより操作性が劣ると、参加者エンゲージメントの低下につながります。
ブラウザで視聴できるかどうかも注目すべきポイントです。ブラウザ視聴に対応していれば、視聴画面の右側に資料ダウンロードのバナーやクーポンを設置でき、参加者の行動を自然に促すことができます。
また、申し込みページの作成、メール配信(特にリマインドメールとお礼メール)、視聴者分析(視聴時間・維持率・チャット回答率・アンケート回答率など)の各機能が揃っているかも確認してください。
2. 直感的な使いやすさがあるか
ウェビナー配信プラットフォームはオンラインミーティングツールより多機能なため、操作が複雑に感じられることもあります。担当者が迷わず使えるかどうかは、日常的な運営効率に直結します。無料デモやトライアル期間を活用して、実際の操作感を確認するようにしましょう。
3. MA・SFAツールとの連携が可能か
申し込みページはMAツール、配信はZoom、アンケートはGoogleフォームと、複数のツールを組み合わせてウェビナーを運営している企業も少なくありません。ただしこの場合、各ツールのデータを手動でエクスポート・インポートする作業が発生し、担当者の負担が大きくなります。
ウェビナー配信システムにMA・SFAとの連携機能があれば、参加者データや視聴履歴が自動的に顧客管理システムへ反映されます。茂木氏は「申し込みページの作成・配信・アンケート取得が一つのシステムで完結し、かつMA・SFAと連携できること」を理想として推奨しています。
4. 配信の安定性
どれだけ優れた機能があっても、本番中に配信が途切れては意味がありません。安定性はデモ環境を借りて実際に試すことが最も確実な確認方法です。配信の安定性は自社のネットワーク環境(Wi-FiかLANか)にも依存するため、実際の配信場所の環境でテストすることをおすすめします。
5. 最大接続可能人数
配信ツールやプランによって最大接続人数は大きく異なります。想定参加者数に合わせたプランを確認しましょう。ハイブリッド開催を予定している場合は、リアル会場の人数管理やチケット機能が必要になることもあります。
6. セキュリティ面
競合他社のドメインを申し込みから排除できるか、視聴者の属性によってコンテンツを出し分けできるか、アーカイブ動画の流出を防ぐ仕組みがあるかといった観点を確認します。機密性の高い情報を扱う企業や、コンテンツの権利管理が必要な企業にとっては特に重要なポイントです。
7. 料金体系
基本料金だけでなく、追加機能のオプション料金、参加者数・配信容量・録画データの保存容量に応じた費用変動も含めて確認します。試算の際は、想定開催頻度・参加者規模・コンテンツ保存量を踏まえてトータルコストを算出することが大切です。
8. 過去ウェビナーのメディア化・二次活用ができるか
一度配信したウェビナーが次以降にも活用しやすいかどうかは、コンテンツ資産の積み上げに直結します。動画オウンドメディアのように過去のウェビナーをいつでも視聴できる状態にまとめておける機能があると、SEO効果や見込み客の育成にも寄与します。
主要システムの価格感
参考として、国内の主要ウェビナー配信システムの価格帯をご紹介します(ウェビナー時調査時点)。
- Zoom(Zoomウェビナー):最低年間約15000円〜と非常にリーズナブル
- ネクプロ:月額5万円〜(ナーチャリング、エンタープライズ向けの機能が充実)
- イベントハブ:月額9万円〜
- ビジブル:月額5.5万円〜
海外製ツールとしては、ON24(大手エンタープライズ向け)、GoToWebinar、Livestorm(ビデオエンゲージメントスコアなど独自指標が特徴)なども日本で活用されています。価格や詳細機能は各社への問い合わせで確認してください。
ウェビナーツールの詳しい比較はこちらの記事もご覧ください。
シーン別:どのシステムが適しているか
最後に、ウェビナーを実施するシーン別のシステム選定の考え方を紹介します。
- 数十〜数百人規模のオンラインウェビナー(月1回以上) の場合、100名超の参加者を月1回以上集めているなら、専用のウェビナー配信プラットフォームへの移行を検討する価値があります。視聴者分析やエンゲージメント可視化により、継続的な改善が可能になります。
- 共催ウェビナー・オンラインカンファレンスでは、申し込みページを充実させたり、豪華なバナーで「イベント感」を演出したりするニーズが生まれます。専用システムによる体験設計が、他社との差別化につながります。
- 採用説明会では、参加者である候補者に自社の魅力を最大限伝える必要があります。操作性が高く体験を演出しやすい配信システムの活用が、採用ブランドの向上に貢献します。
- 全社キックオフ・全社会議では、1,000名を超える参加者がいる場合は専用システムを検討しましょう。質問管理など大規模配信ならではの機能が役立ちます。
- 社内勉強会は、オンラインミーティングツールで十分対応できます。ただし、リスキリングやeラーニングを継続的に展開したい場合は、学習管理に特化した専用システムも視野に入れましょう。
まとめ
ウェビナー配信システムは一度導入すると長期間使い続けることになるため、機能の豊富さだけでなく自社の目的・規模・運用体制に合った選択が重要です。
選定の際は、①必要な機能の有無、②直感的な使いやすさ、③MA・SFA連携、④配信安定性、⑤最大接続人数、⑥セキュリティ、⑦料金体系、⑧コンテンツのメディア化対応という8つの観点を軸に、デモ環境での実機確認を経て判断することをおすすめします。
ウェビナーは単なるオンラインイベントの場にとどまらず、コンテンツ資産として積み上げ、顧客育成や見込み客獲得につなげる戦略的なマーケティング施策です。配信システムの選択がその成果を大きく左右します。ぜひ本記事の観点を参考に、自社に最適なシステムを見つけてみてください。
こちらの関連記事にて具体的なプラットフォームを徹底解説しています。ぜひご覧ください。
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