ウェビナー後の着電率を引き上げる方法〜商談設定を最大化させるウェビナー戦略〜

ウェビナーを開催しているにもかかわらず、「商談につながらない」「参加者と接点が持てない」「開催本数を増やしても成果に結びつかない」——こうした悩みを抱えるマーケターやインサイドセールス担当者は多いのではないでしょうか。

今回は、「ウェビナー後の着電率を引き上げる方法」のウェビナーの要点を解説します。前職でマーケティングオートメーション会社のイベントマーケティング責任者を務め、現在はウェビナー支援に特化して活動する同氏の知見は、すぐに実践できるものばかりです。

そもそも「着電率」を上げることに意味はあるか?

冒頭で押さえておきたいのは、着電率向上の「目的」を明確にすることです。多くの企業がウェビナーで着電率を上げたいと考える主な理由は「商談設定数を増やしたいから」でしょう。

ただし、ウェビナーの目的が認知拡大や共催のみである場合は、今回のアプローチは必ずしも当てはまりません。重要なのは「自社のウェビナーが、ちゃんとターゲットに刺さる内容になっているか」という前提条件です。

また、電話をかけても「そんなセミナーに出た覚えはない」「アンケートでデモが見たいとは答えていない(実際は入力しているのに)」という反応が起きるケースがあります。これは、ターゲットが絞れておらず、ウェビナーの印象が薄いことが原因です。ターゲットを明確に定め、内容に満足してもらうことが、着電率向上の大前提となります。

なお、ウェビナー終了後は翌日または当日中に電話することが必須です。時間が経つほど記憶は薄れ、”あのウェビナー経由の電話”という文脈が通じにくくなります。

着電しない理由は2つ

なぜ電話がつながらないのかを整理すると、大きく次の2パターンに分かれます。

・電話に気づいていない:打ち合わせ中、外出中、食事中など、物理的なタイミングの問題

・気づいているが出ない:電話に出たいと思っていない。つまり、自社や登壇者に対して興味・信頼が十分に醸成されていない

1つ目は「タイミングを工夫することで解決できる問題」であり、2つ目は「企画内容や登壇者の見せ方を改善する問題」です。この2つに分けて対策を考えることが重要になります。

自らタイミングを作る5つの対策

1. マーケティングオートメーション(MA)の活用

ウェビナー後に送るお礼メール内のURLをクリックした参加者が、自社のホームページや料金ページにアクセスした際、5分以内にコールする仕組みを構築します。MAツールで通知を担当者のスマートフォンに飛ばし、「○○ウェビナー経由で、△△さんがこのページにアクセスしました」という情報とセットでインサイドセールスに届けます。

ウェブ閲覧履歴・行動履歴はMAでしか追えません。ツールを活用して”今まさに興味を持っている人”を素早くキャッチすることが着電率向上の第一歩です。

2. 開催曜日・時間の最適化

電話がつながりやすい時間帯に参加者の記憶が残っているうちにアプローチするには、開催時間の設計も重要です。

・月曜日・金曜日は参加率が低く、開催を避けた方が無難です

・夕方遅い時間帯は退社間際で電話がつながりにくくなります

・B2Bウェビナーで成果を出している企業(サーキュレーションやフォーカスなど)は12〜13時のランチタイムや午前中に開催しているケースが多いです

ユニークな事例として、あえて夜の19〜20時30分に開催し、翌朝にフォローの電話を入れることで「他の会社と違う時間帯」の印象を残すという手法も効果的だったといいます。参加者の記憶と業務フローの両方を考慮した時間設計を心がけましょう。

3. アンケートで電話希望時間を事前に取得する

ウェビナーの出口であるアンケートを有効活用する方法です。具体的には、「弊社サービスについてお聞かせください」という設問で「詳細を聞いてみたい」「資料を見たい」などを選択した参加者に対し、次のセクションでお電話できる時間を入力してもらう設計にします。

この手法を実践した事例では、電話可能時間を記載してくれた参加者が全回答者の約36%にのぼりました。そして、その人たちへの着電率は80%超えという結果が出ています。

むやみやたらに電話するより、「この時間なら出られる」という前提のある電話の方が成功率は格段に高くなります。参加者にとっても、「急に電話が来る」より「自分で答えた時間に来る」方がストレスが少なく、むしろ丁寧な対応だと感じてもらえます。

4. マーケティング×インサイドセールスの連携強化

ウェビナーの成果を最大化するには、マーケティング担当者とインサイドセールスの連携が欠かせません。特によく起きる問題が、「ウェビナー経由の商談が社内で認知されていない」「SFAに何も記入されていない」という状況です。

打開策は、ウェビナー企画担当者またはMCが、アンケート終了後30分以内に次のような情報をインサイドセールスにSlackやメールでメンション付きで送ることです。

・参加者の名前・会社名

・アンケートの回答内容

・過去のMA・SFA上の行動履歴

・電話番号・フォローのURL

優先順位をつけながら「この方にこういうアプローチをお願いします」と一言添えるだけで、インサイドセールスの動き方が変わります。ウェビナーが社内で価値あるチャネルとして認められるためには、毎月安定してリードを供給し続けることが重要です。

5. 登壇者本人がフォローコールする

少人数ウェビナー(10名以下)では、登壇者本人が電話をかけるという方法が非常に有効です。

ウェビナーに参加した時点で、参加者は「この人から学んだ」という意識が生まれやすくなります。特にウェビナー慣れしていない参加者ほど、登壇者に対して”先生”のような親近感・信頼感を持ちます。その状態でフォローコールを行うと、一般的なインサイドセールスが行う電話と比べて、つながった後の商談設定率が高くなります。

インスタグラム運用代行会社や製造業のメーカーなど、業種を問わずこの方法で成功している企業の事例が複数あります。人数が多いと対応しきれないため、あえて定員を絞ることも一つの戦略です。

気づいているけど電話に出ない人へのアプローチ

電話に出てもらえない本質的な原因は、「もっと話を聞きたい」と思われていないことにあります。つまり、解決策は企画内容の改善と登壇方法の改善の2つです。

企画内容の改善:コアターゲットを絞って”大満足”させる

「ウェビナーバブル」と言われるほど開催数が乱立している今、ありきたりな内容では差別化できません。「全員に刺さる内容」を目指した結果、誰にも深く刺さらないコンテンツになってしまうケースは非常に多いです。

重要なのは「このウェビナーは、この人のために開催する」というコアターゲットを明確に定義し、その人が聴き終わった後にどんな状態になっていてほしいかを事前に設計することです。

実際、あるデータでは「ウェビナーの満足度が高いと、商品・サービスの導入意欲が1.5倍高まる」という結果が出ています。満足度の高いウェビナーは、着電率だけでなく、その後のクロージング率にも影響します。

また、ターゲットを絞るには「こういう方はあまりいい時間にならないかもしれません」という文言を告知文に盛り込み、意識的に参加者を選別することも効果的です。目的意識の高い参加者だけが集まることで、アンケート回答の質も着電率も上がります。

ウェビナーの企画について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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登壇方法の改善:ウェビナーを飽きさせない7つのコツ

ウェビナーは「ながら聴き」される環境です。B2Bオンラインの実態調査では、参加者の7割がながら聴きをしているというデータもあります。それでも満足される内容にするには、登壇者の話し方そのものを磨く必要があります。

成功しているウェビナーには共通して「音声コンテンツとして聴いても面白い」という特徴があります。ラジオ感覚で聴いている人すら満足させられる内容・話し方が、いいウェビナーの条件です。

以下に「ウェビナーを飽きさせない7つのコツ」をまとめます。

①確信があることは言い切る

「〜だと思います」という曖昧な表現を避け、自社の実績や事実に基づくことは自信を持って断言します。聴き手は迷いのある話し方から”薄い情報”を感じ取ります。

②抑揚をつける

単調な話し方は聴き手を眠らせます。特定のターゲット像(例:「○○株式会社の△△さん」)を頭の中に浮かべながら話すと、自然と抑揚が生まれます。人に語りかける感覚が音声に宿ります。

③楽しそうに話す

つまらなさそうに話す人の話はつまらなくなります。自分が楽しんで話す姿勢が、参加者の集中力を持続させます。

④時折余談を入れる

ウェビナーは意外とパーソナリティが伝わる場です。SNSや他の施策と組み合わせると、登壇者への親近感がコンテンツの価値を高めます。本筋から大きく脱線しない程度の余談は、良いアクセントになります。

⑤一人に語りかけるように話す

100人に届けようとする話し方ではなく、「1人の参加者」に届けようとする話し方が、結果的に全員の心に届きます。

⑥参加を強制しない

「絶対見てください」「これをやってください」という強制的なトーンは逆効果です。7割がながら聴きをしている現実を受け入れ、「重要なポイントだけ持って帰ってもらえれば十分」というスタンスで話しましょう。

⑦アンケート・投票機能でインタラクティブにする

一方的な講義型ではなく、チャットや投票機能を使って参加者を巻き込みましょう。双方向性がエンゲージメントを高め、記憶にも残りやすくなります。

まとめ:着電率向上は”ウェビナーの質”と”後工程の仕組み”の掛け合わせ

今回の内容を整理すると、着電率向上のアプローチは以下の通りです。

【タイミングが悪くて出られない】

対策:MAで行動通知・5分以内コール、アンケートで電話可能時間を収集、曜日・時間帯の最適化

【気づいているが出たくない】

対策:企画コンテンツの改善(ターゲット絞り込み・大満足の内容)、登壇方法の改善(7つのコツ)

【フォローが機能していない】

対策:マーケ×IS連携を30分以内で行う、登壇者本人がコールする(少人数の場合)

ウェビナーを”集客して終わり”にしている企業は多いですが、実際には参加後のフォロー設計と、コンテンツの質向上が商談設定数を左右します。ウェビナーを実施している企業の74.2%が「受注が少ない」と感じているという調査データもありますが、残り約3割の成功企業がやっていることは特別なことではありません。ターゲットを絞り、満足度の高いコンテンツを作り、後工程の仕組みを整えているだけです。

今日から試せる施策から一つ実践してみてください。

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