展示会イベントでは、複数の企業が登壇したり、ブースで説明会を開催したりします。そのため、展示会イベントをウェビナーで開催するのは、自社単独セミナーをウェビナーで開催するよりも難しいと考えている方が多いのではないでしょうか。しかし、展示会イベントのオンライン化も、代理店に相談することで、想像以上に容易に実施することができます。
今回は、展示会イベントをウェビナーで疑似ライブ配信した、株式会社日本経済広告社様と株式会社アデックスデザインセンター様のネクプロ導入事例をご紹介します。
ウェビナー導入の背景
-まず御社について教えてください。
徳永(以下、敬称略):
弊社は日本経済広告社と申します。総合広告代理店として各メディアやデジタル広告、 企業様のイベント運営やWebデザイン、集客など一括で対応しており、今回ご紹介するセゾン情報システムズ様主催のイベント「HULFT DAYS 2020」の運営を担当させていただきました。ウェビナーの配信については、弊社のグループ会社であるアデックスデザインセンターと連携して進めて参りました。
-昨年の「HULFT DAYS 2019」はオフラインのみで実施し、2020年に初めてウェビナーで配信されたそうですが、オンラインへの移行理由をお聞かせくださいますか。
徳永:
新型コロナウイルスの流行を受けて移行することになりました。セゾン情報システムズ様は、お客様や従業員の命を守るために、2月頃からオンラインを視野に入れて検討されていました。6月ごろ、感染拡大が収まりつつありましたが、夏前に再度感染が広まりだしたため正式にオンラインでの実施が決まったという経緯です。
ネクプロを導入した理由と結果
-様々なウェビナー配信プラットフォームがありますが、その中からなぜネクプロを選んだのでしょうか。
徳永:
クライアント様の要望を叶えることができ、かつ、価格的にもネクプロが最適ということで導入に至りました。クライアント様の中で優先順位が高いものとして、「安定した配信が可能なこと」「視聴者の操作性が良いこと」そして「セッション毎にアンケートの取得ができること」がありました。
まずは、ご参加者様にストレスを与えない点が要望でした。その上ではセッション終わりにアンケートがポップアップで表示され、視聴者が自然とアンケート回答が出来て回収率が向上する仕組みもネクプロは優れています。
-前年まではオフラインで開催していたイベントを、疑似ライブという形でウェビナー配信されましたが、オフラインからオンラインへ移行したことで変化はありましたか。
徳永:
会場スペースを意識しなくて良い点が大きな変化だと思います。
オフラインの場合は当日の集客がありがたいことに想定人数を超えた場合、その対応策を考えておかなければなりません。オンラインの場合は、その点意識しなくて良いので運営側はとても助かりました。
また、オンラインでは番組ごとの視聴状況をリアルに把握することができるので、お客様が今何に興味をおもちかをリアルタイムに測定できてよかった。その興味のある先を、閉会後に素早くフォーカスして施策を打てるので非常に助かっています。
古川(以下、敬称略):
全体の累計視聴者数は約1,200人程でした。これは昨年までのオフラインでは実現しないような数字です。視聴者数という点では満足できる結果になったのではないかと思います。また、オフラインとオンラインでは準備や当日においてすべきことが全然違ったと感じました。
-リアルイベントとウェビナーですべきことが違うというのは具体的にどのような点でしょうか。苦労した点があったのでしょうか。
古川:
リアルイベントとウェビナーの違いとして、ウェビナーはプレゼン資料や登壇者の収録が開催日の1~2週間前までには準備が完了していなければならないため、過密スケジュールだった点が挙げられると思います。
今回はすべてのセッションがリアルタイム配信ではなく疑似ライブ配信で、事前収録が必要でした。「HULFT DAYS 2020」の本番は10月13~15日の3日間でしたが、その事前収録は2週間程前の10月頭に実施しなくてはいけません。事前収録が1つ目の本番、イベント当日が第2の本番ということで、どんどん準備期間が狭まっていく中で、収録のために決めなければいけないこと、当日のために決めなければいけないことを同時進行で進めなければなりません。収録がやっと終わっても、動画編集とネクプロ上での設定作業があります。
リアルイベントなら極端な話、本番に登壇者と資料さえあればその場で開催できてしまいます。本番に「えいや!」でできるところがありますが、ウェビナーではすべてが正しく設定されていなければ参加者に届けられません。準備は非常に大変で、丁寧に進めなければいけない点が多いなと感じました。
-視聴者からの反応はいかがですか?
古川:
今回ネクプロを利用してみて、視聴者からの問い合わせが非常に少なかったという印象です。他ツールを使用したイベントでは必ず「繋がらない」という問い合わせをいただきますが、ネクプロは直感的にわかりやすいのか、ほとんど問い合わせはありませんでした。ログインしてから視聴画面へ遷移するまでの階層が少ないので、わかりやすいのだと思います。また、資料ダウンロードのボタンも配信画面の下に載せたので、当日はスムーズに進みました。
登壇者へのフォロー
-登壇企業は事前収録の必要があったそうですが、そのサポートについて工夫した点はありますか。初めてウェビナーを実施する企業も多かったのではないでしょうか。
古川:
今回は登壇者の方がセゾン情報システムズ様のオフィスにお越しいただき収録するパターンと、Zoomで遠隔収録するパターンから選んでいただき、それぞれマニュアルを送付しました。「このような設定にしてください」「このような進行で進めてください」と事細かに記載しておりましたので、特に収録の中で困ったことはありませんでした。
また、オンラインカンファレンスの開催方法として、
- ライブ配信
- 疑似ライブ配信
- オンデマンド配信
の3つがあります。ライブ配信では登壇企業様が多いと対応に大変パワーが掛かりますが、疑似ライブなら時間が決まっていて配信するだけですので、当日のフォローが比較的容易でした。時間を掛けて対応しやすいですね。
▼事前収録の様子
徳永:
オンラインか否かで、登壇者へのケア内容は基本的に変わりません。どのように撮影するか、収録するかの話ですので、マニュアル作成や当日のケアに関しては、まさにアデックスデザインセンターの得意とするところです。アウトプットの方法を替えただけで、今までの経験で実施可能だと思います。
これからウェビナーを始めるなら
-逆にイベント経験が少ない企業が、これからウェビナーを始めるには何がポイントだと思いますか。
徳永:
どうしてもウェビナーで集まるリードと、リアル開催型イベントで集まるリードには質に違いが生じることを理解しておくことではないでしょうか。リアル開催型イベントでは、実際に対面しているため、その場の状況に応じて臨機応変に、そのまま商談につなげることも可能です。一方、ウェビナーではそのままクロージングするのは難しいと思います。特にtoB系の製造業では製品が数千万~億単位なので。
古川:
イベント経験が少ない企業がオンラインイベントを開催したいと思ったら、まずはどのツールを使うかを考えると思います。例えば、「配信はZoomで、アンケートはGoogleフォームで、申し込みはどこにしようか」と、色々なツールを使わなければいけなくなると非常に大変だと思います。準備段階で多くのことを考えなくてはならず、何が何だかわからなくなってしまうというのは、よくある話です。
ネクプロは色々な機能が1つにまとまっているので、使いやすいのかなと思います。私たちも、メール配信も申込みも、一括してネクプロで管理したので非常にわかりやすかったと思います。
ただ想像以上に細かく内容を詰めて設定しなければいけないので時間も工数も掛かります。ツールがどれだけ優秀でもそれを動かす人は必要です。しかし、複数のツールを使うよりも、ネクプロのように1つにまとまったツールを使った方が負担は少なくなると思います。
-リアルイベントの運営をイベント運営会社にお任せします、というのと同じように、オンラインではツール1つに任せるということですね。
古川:
ツールを選び、運用していくことが大変だと思う企業様は是非とも我々にお任せください。
徳永:
私が担当しているクライアントはtoB系のIT企業様が多いので、すでにウェビナーを実施することは決まっているということが多いです。そこで、どのようにやればいいのか、という点で非常に悩まれていますね。カスタマージャーニーの中でウェビナーをどこに位置づけるか、集めたWebリードを営業に対してどのようにフォローして集めていくか、最終的にどのようにマーケティングオートメーション(MA)に落とし込んでいくか。そこをサポートするのが私たち広告会社の仕事だと考えています。
今後のウェビナー活用について
-代理店が入ることでエンドクライアントがスムーズにオンラインに移行できた良い事例だと思いますが、オンライン化したことで代理店にメリットはありましたか。
古川:
正直な話、オンラインに移行することで、むしろ代理店はすべきことが増えて楽になることはないのかなと思います。
徳永:
オンラインでは何でもデータを取ることができてしまうので、すべてを取ろうと思うと逆に大変になります。そのデータを取って何に使うのか、何のために取るのか、というのを明確にする必要があると思います。
-代理店としては負担が大きくなりやすいウェビナーですが、今後の活用についてはどのように考えていますか。
古川:
一度ウェビナーを経験すると、できる/できないが非常に明確になるので、他にも提案に使っていきたいなと社内で話しています。先日、ネクプロにライブ投票機能が新規追加されましたが、私たちもどんどん新しい機能を活用していきたいと思います。
-本日はありがとうございました。
まとめ:ネクプロを導入した結果
株式会社日本経済広告社様と株式会社アデックスデザインセンター様の事例をご紹介しました。ネクプロを導入し、ウェビナーを開催した結果を整理してみます。
- リアル開催型イベントよりも非常に多くの集客が可能になった
- リアル開催型イベントの運営経験をもとにウェビナーを開催することができた
- 疑似ライブ配信では、当日、登壇者をケアしやすかった
- ネクプロ1つでメール配信や申し込み、配信を一括管理したので作業内容を整理しやすかった
- 事前収録があるためスケジュールは過密になった
- 準備において内容を細かく詰めて設定する必要があった
今回はウェビナーを活用した、代理店による展示会イベントの開催事例をご紹介しました。リアル開催型イベントの経験が豊富な企業であれば、オンラインイベントの経験がなくてもウェビナーを開催できることがわかったのではないでしょうか。
また、イベント経験の少ない企業なら、日本経済広告社様、アデックスデザインセンター様のような代理店に依頼することで、ウェビナーを開催することができます。
ネクプロは導入前にデモ版をご利用いただけます。
展示会やセミナーのオンライン化に興味のある方は、是非お気軽にお問い合わせください。