Salesforce連携により実現した、開催前・視聴直後・ナーチャリングコールの商談創出最大化

ウェビナー1本から、3つのタイミングで商談創出を。

「ウェビナーは視聴後にしか商談が取れない」という前提を疑う

BtoBマーケティングの現場では、ウェビナーを定期的に運用している企業が増えている。

しかし、「ウェビナーからの商談化」というと、多くの担当者は視聴後のフォローを思い浮かべるのではないだろうか。
だが、ウェビナーから商談が生まれるタイミングは、視聴後だけではない。

法人向けeラーニング「AirCourse」を展開するKIYOラーニング株式会社は、ネクプロとSalesforceを連携させた運用によって、開催前・視聴直後・ナーチャリングコールという3つのタイミングで、それぞれ商談を創出する仕組みを築き上げている。

本記事では、同社の法人事業部マーケティングマネージャーである土屋様へのインタビューを通じて、商談設計の仕組みと、裏側を支えるSalesforceの役割を紐解いていく。

同社について

KIYOラーニング株式会社は、法人向けeラーニングサービス「AirCourse」をはじめとした、インターネットを通じた学習・教育支援サービスを企画・運営している。企業の人材育成・社員教育を支えるプラットフォームとして、多くの導入実績を持つ。
土屋様は、同社法人事業部のマーケティング全般を統括するマネージャー。
メンバーを率いて施策の企画立案から実行まで一気通貫で担当されている。

ウェビナー実施における3つの課題

ウェビナー自体は、ネクプロ導入以前から実施されていた。
ただし当時の運用には、3つの課題があったという。

視聴後フォローまで時間がかかる

ひとつ目は、視聴後フォローまでの時間がかかることだった。

一番大きかったのは、リアルタイムに動けないことですね。
当日中の架電は当然できず、平気で翌日や2日後になってしまうこともありました

土屋様

ウェビナー終了後にまずデータをエクスポートし、アンケートデータと突合させ、Excelで整理する。
この作業はマーケティング部が担当している。

頻度は月3〜5回、単純なエクスポート・インポートだけで1本あたり30分〜1時間。
アンケートの突合や整理まで含めると、さらに時間がかかっていた。

ウェビナー視聴直後は、お客様の温度感が最も高いタイミングだ。
にもかかわらず、その温度感が冷め切る翌日や2日後にならないとアプローチできない。
この時間差が課題だった。

フォローの精度が下がる

ふたつ目は、フォローの精度が下がることだった。

データが分散していることで、案件化につながりそうな兆候を取りこぼしていたと思います。
工数がかかるだけでなく、本来できるはずのフォローができない状態でした

土屋様

同社では、もともとSalesforceに各種データを集約しており、
Salesforceを活用すれば過去の接点履歴を踏まえた最適なアプローチができる体制だった。

ところがウェビナー関連のデータだけが分断されていたため、その強みを発揮できない。
お客様が過去にどのテーマに反応していたか、どんなアクションを起こしていたか

――こうした文脈情報を踏まえたアプローチができないことで、
本来取れたはずの案件化の機会を取りこぼす状態になっていた。

営業・ナーチャリングの流れに組み込めない

上記の課題と並行して、土屋様にはもう一段踏み込んだ問題意識があった。

ウェビナーを単発の施策としてではなく、営業やナーチャリングの流れの中で使っていくなら、
Salesforceときちんとつながることが重要だと考えるようになりました。
そこから、『Salesforceと連携できるウェビナーツールを入れたい』という検討に進みました

土屋様

ウェビナーを「やって終わり」の単発施策で完結させるのではなく、
営業とナーチャリングの流れの中に組み込まれた戦略資産として位置づけ直す。
Salesforce連携へのデータ一元化はその上での必須要件だった。

自社Salesforce環境でのデモで運用イメージがクリアに

複数のウェビナーツールを比較検討した結果、最終的にネクプロが選ばれた。
決め手となったのは、Salesforce連携だった。

ただ、決め手は「連携できるかどうか」という機能の有無ではない。
土屋様が重視していたのは、もう一段深いポイントだ。

他社さんでも「Salesforceと連携できます」という話自体は聞いていました。
Salesforceは各社によって本当に様々なカスタマイズがされていると思います。
その前提で見ると「本当に自社の環境でも連携できるのか?」という不安は拭えなかったんですよね。

ただ、ネクプロさんの場合には、弊社のSalesforceのSandBox環境で
どのようにデータが連携されるか実際に見せてくれたんですよね。

それによって、「うちの環境だとこうなるんだ」というのが具体的に把握できたのが大きかったです。

キャンペーンに情報が入り、キャンペーンメンバーからも視聴履歴、アンケート回答履歴が確認できて、
リード、取引先責任者にもデータが蓄積される。
まさに理想としていたデータが即時に自動連携されるとわかり、導入を決めました。

土屋様

3つのタイミングで、商談が動き始める

こうして、ネクプロの導入とSalesforce連携が始まった。

結果、ウェビナーから商談が生まれるタイミングそのものが変わった。

開催前・視聴直後・ナーチャリングコール
――この3つのタイミングそれぞれで、これまで取りこぼしていた商談が動き始めた。

ここから、その3つのタイミングの中身を順に見ていく。

開催前の商談化

従来の発想では、ウェビナー開催前はあくまで「集客期間」であって、商談が発生するフェーズではない。
しかし、データがリアルタイムで流れるようになると、このフェーズに眠っていた機会が顕在化する。

申込が社内チャットに飛ぶ、ISがすぐ動く

現在は、申込フォームをネクプロで作成し、Account Engagement(以下AE)を介してSalesforceに連携。Salesforce側ではキャンペーン単位で管理されており、
さらに申込通知がSalesforceから社内チャットツールにリアルタイムで飛ぶ設計になっている。
この設計がもたらした変化は、単なる「通知の自動化」に留まらない。

申し込みがリアルタイムに社内チャットツールへ通知されます。
その通知をISが見て、Salesforceを開き、過去のデータを確認し、すぐに架電できる。
そうすると、ウェビナー参加前にそのまま商談化するケースがあるんです

土屋様

申込時点で、営業アクションが動き始める。これが、開催前の商談化という設計の核心だ。

導入前と比べると、その差は歴然としている。
かつては「開催前にまったくアプローチできていなかった」状態。

以前のウェビナーツールのフォームで申込を受け付けても、それを把握しているのはマーケ担当だけで、
ISに共有されることもなかった。申込が入ったという情報そのものが、営業の動きに繋がらなかったのだ。

事前アンケートが架電の「フック」になる

この開催前の商談化を成立させているもう一つの仕掛けが、事前アンケートだ。

事前アンケートは予想以上に活用できました。
アンケート回答をマストとすることで、この内容が架電時のフックとなります

土屋様

事前アンケートで得られた情報はISが架電するときの「会話の入り口」として機能する。
興味関心や具体的な課題感が申込時点で可視化されるため、
コールのアプローチも画一的なものから、お客様一人ひとりの文脈に応じたものへと変えられる。

マーケの役割は、ISがアプローチしやすい状態をつくることだと思っています。
申込時点や事前アンケートで取れた情報を整理して、
強いリードや会話のフックを渡すことで、ISが適切なタイミングで動けるようになります

土屋様

マーケが事前の情報を整え、ISが即座にアクションを起こす。
この連携があるからこそ、ウェビナー開催前という一静か時間帯にも、商談が生まれるようになっている。

②視聴直後の商談化

2つ目のタイミングは「視聴直後」だ。
従来、ここは多くの企業が最も重視するフェーズである。

ただし、土屋様が語る導入前後の変化を見ると、
「視聴直後の動きやすさ」そのものが、Salesforce連携によって大きく変わっていることがわかる。

視聴後作業がほぼゼロに

導入前、視聴後に発生していた作業は先述の通り、
エクスポート・アンケート突合・Excel整理という一連のマニュアル工程だった。1本あたり30分〜1時間。
導入後、この工程はほぼ消滅している。

Salesforceのレポートを送るだけで完了します。
なんなら、見る場所をみんな知っているので、レポートを送らなくてもよい。
この部分の工数はほぼ0になりました。

土屋様

浮いた時間は、本来やるべきリード精査や次のアクション判断に回せるようになった。
作業の時間が、思考の時間に変わった――この変化は、ウェビナー運用の質そのものを引き上げている。

視聴直後に架電が出来るように

工数がほぼゼロになったことで、視聴後の営業アクションそのものも早まった。

かつては当日中の架電は難しく、翌日や2日後になってしまうことも平気であった。
現在は、視聴データがSalesforce上ですぐに参照できるため、視聴直後に架電できる。
ISの架電スピードは明らかに向上しており、視聴率やアンケート回答率といった関連データも可視化されている。

リアルタイムに情報が飛んでくることと、
データが一元管理されているので見やすいことは好評です。
その結果、架電スピードも上がっています。

土屋様

視聴直後という「温度感が最も高いタイミング」を、逃さずに捉える。
Salesforce連携は、このフェーズの時間感覚そのものを書き換えている。

データ一元化によりフォローの精度が向上

視聴直後に動けるようになったのは、速さの話だ。
一方で、Salesforce連携がもたらしたもう一つの変化は、フォローの精度である。

リードや取引先責任者の単位で過去の情報が一元化されているので、フォローの精度が上がりました。

土屋様

過去のウェビナー参加履歴、アンケート回答、各施策での反応
――これらが一つのリードに紐づいて見える状態になったことで、
ISは目の前のお客様の「文脈」を理解した上で会話ができるようになった。

そして、この「精度」を支えているのが、マーケとISの役割分担でもある。

マーケの役割は、アプローチするための材料を揃え、ISが適切に動けるような体制作り、
つまりISがアプローチしやすい状態をつくることだと思っています。

土屋様

マーケがデータを整え、ISがそれを使って動く。
Salesforceというハブが、この役割分担を実装可能にしている。

③ナーチャリングコールでの商談化

3つ目のタイミングは「ナーチャリングコール」だ。
ここが、Salesforce連携の真価が最も発揮されるフェーズでもある。

1〜2つ目のタイミングが「その1本のウェビナーに対する商談創出」であるのに対し、
3つ目は過去の視聴データを時間を超えて活用する、性質の異なる価値創出である。

Salesforce連携によって、ウェビナーの視聴データはリード単位・取引先責任者単位で蓄積されていく。
データが分散していた時代は、ウェビナーの視聴データ=顧客の興味関心の履歴が可視化されず、存在しないのと同じ状態だった。Salesforce上に集約されたことで、初めてそれが「資産」として扱えるようになった。

過去データがコール施策の”武器”になる

この蓄積された視聴データは、単なる記録に留まらない。
ハウスリストへのナーチャリングコールで、直接的な武器として機能している。

その場で反応がなくても、過去のセミナーデータを使って後から掘り起こしができます。
どんなテーマに興味を持っていたのかが分かるので、確度も変わってきます。

土屋様

どんなテーマのセミナーをいつ視聴したか、どんな反応をしたか
――これらの情報があることで、ISは興味関心の文脈を踏まえた会話ができる。

ただ「過去に接点があった方」ではなく、「〇〇のテーマに関心を示したことがある方」としてアプローチできる。
この差は、コールの確度に直結する。

1本のウェビナーは、開催・視聴が終わっても終わらない。
その後、データとして生き続け、別の施策の中で再び商談を生む瞬間を作り出す。
これが3つ目のタイミングの本質だ。

ナーチャリング経由での商談創出が大きく伸び、 導入前と比べて明確な成果を実感

3つのタイミングで商談創出する運用が定着する中で、
同社のナーチャリング施策全体にも明確な変化が現れている。

同社では、リード獲得から30日以上経過後に発生した商談を
「ナーチャリング経由商談」として定義し、定点的にウォッチしている。

リード獲得自体が年々厳しくなる中で、
既存リードに対するナーチャリングを戦略的に強化していこうとした背景がある。

この数値が、ネクプロ導入後1年で大きく増加した。

前提として、この効果はネクプロ導入における直接的な効果のみではない

同社のナーチャリング施策は、
・メール施策
・ウェビナー
・ハウスリストへのコール

という3本柱で構成されており、結果はこの3施策の合計である。

ただ、ウェビナーとハウスリストへのコールの成果を引き上げたのは
ネクプロ導入により、Salesforceを最大限活かせるようになったからである。

ウェビナーが「全社で見る資産」になった

Salesforceにデータを一元化したことで、もう一つ見逃せない変化が起きている。
ウェビナーが、マーケだけの施策ではなくなったことだ。

導入前、視聴データを確認するにはExcelを開きに行く必要があった。
そのため、マーケ以外で確認されることは稀で、ウェビナーは事実上「マーケのもの」になっていた。

現在はSalesforce上で誰もがアクセスできるため、営業や他部門を含め、全員がウェビナーの動向を見られる。

既存のお客様や検討中のお客様が見ていたら、それをもとに担当者が『最近どうですか』と話をしにいくこともできます。ウェビナーが、マーケだけの施策ではなく、組織全体で使える施策になってきた感覚があります。

土屋様

そもそも以前は連携がなかったので、ウェビナーの情報を社内でそこまで見られていませんでした。
今はデータが集約されたことで、ウェビナーを全員がちゃんと注目するようになったと思います。

土屋様

データが集約されたことで、「誰がどのウェビナーに来ていたか」が共通言語になった。
これは、ウェビナーの商談創出力をさらに広げる土壌でもある。

同じ課題を持つ企業へ向けて

最後に、ウェビナー運用やSalesforce連携に課題を感じている企業へ、土屋様に一言いただけないかと打診した。

Zoomでやっている会社さんは多いと思いますし、最低限のことはできると思います。
一方で、ウェビナーツールにお金をかけることに対して障壁を感じている会社さんも多いと思います。

ただ、実際に入れてみると、金額以上の価値や、想定していなかった効果は結構あります。
特に、Salesforceと連携してデータを一元化したいとか、営業とマーケをつなげたいとか、そういう課題感がある会社さんにはかなり意味があると思います。

Zoomで回しているだけでは取り切れない部分があるので、
そこを課題に感じているなら、一度しっかり検討してみても良いかと思います。

土屋様

ウェビナー1本から、3つのタイミングで商談を創出する。

Salesforce連携によってデータを一つの場所に集め、リアルタイムで動ける状態を整える
――この地道な設計の積み重ねによって実現されている。

ウェビナーからの成果最大化を行うために、是非参考にしていただきたい。